文学賞の受賞作が「いま買えるか」を調べたサイト い受賞作いまよめ に、海外の賞を3つ足しました。ブッカー賞・ヒューゴー賞・ネビュラ賞です。これまでの芥川賞・直木賞・ノーベル文学賞・本屋大賞とあわせて、収録は696冊になりました。
受賞作の一覧と、いま買えるかを同じ画面で見られます
追加したのは3賞の全受賞作、ブッカー賞60作・ヒューゴー賞74作・ネビュラ賞62作です。ヒューゴー賞とネビュラ賞は長編小説部門を対象にしました。
受賞作の一覧そのものは Wikipedia でも読めます。このサイトが足しているのは、その隣に並ぶいまの入手状況です。1作ごとに、新刊で買えるか、文庫があるか、電子で読めるか、それとももう手に入らないかが分かります。書名を押すと版ごとの一覧が出て、単行本と文庫のどちらが在庫ありなのか、値段はいくらかまで見られます。
在庫は2026年8月20日時点で調べたものです。毎日更新ではないので、日付を添えてあります。
受賞作の4割は、いま新刊では買えません
追加してみて驚いたのがここです。日本語版が出ている受賞作のうち、新刊書店で買えない本の割合を賞ごとに並べます。
- ヒューゴー賞: 73作のうち32作(44%)
- ネビュラ賞: 57作のうち28作(49%)
- ブッカー賞: 46作のうち19作(41%)
- 芥川賞: 189作のうち22作(12%)
- 直木賞: 208作のうち22作(11%)
国内の賞は1割前後、海外の賞は4割です。ニール・ゲイマンの『アメリカン・ゴッズ』、ヤン・マーテルの『パイの物語』、コニー・ウィリスの『ドゥームズデイ・ブック』。映画になった本、名前をよく聞く本でも、新刊では買えなくなっています。
SFは文庫化される割合が高いので残っているだろう、と予想して足しました。逆でした。なぜ海外の賞だけこれほど落ちるのかは、集めたデータからは説明できません。調べがついたら書きます。
読む側にとっての違いは、探す順番です。賞の一覧を見て書店に向かうと、半分近くは無い。先に入手状況を見てから、新刊を買うか、電子にするか、古書を当たるかを決められます。
紙が切れていても電子で読める本が12作あります
海外3賞のうち12作は、紙の新刊が無くなっていて電子版だけが残っています。『ドゥームズデイ・ブック』、アン・レッキーの『叛逆航路』、ジェフ・ヴァンダミアの『全滅領域』などです。
古書店を回る前に見ておくと手間が減るので、電子でだけ読める本の一覧を別のページにしてあります。逆に、いま文庫で買える本だけを見たいときは文庫の一覧です。海外賞からは38作が入りました。
日本語版が無い20作は「絶版」と分けています
海外の賞には、受賞したのに日本語版が出ていない作品があります。196作のうち20作。いちばん多いのはブッカー賞の14作です。2016年受賞の『The Sellout』(ポール・ビーティ)、2004年の『The Line of Beauty』(アラン・ホリングハースト)などが入ります。
こういう本を「入手困難」に混ぜると数字が濁ります。絶版と未翻訳は、読む人のやることが違うからです。絶版の本は古書を探せば見つかります。日本語版が出ていない本は、どれだけ探しても日本語では出てきません。そこで「邦訳なし」という別の表示にして、買えない本の割合を出すときの計算からも外しました。
そのうえで、原書なら読める本ではあるので、原題での洋書検索へのリンクを1本だけ置いています。
両方の賞を取った作品は、一覧で1行にまとめています
同じ年に両方の賞を取る作品が珍しくありません。複数の賞を受賞したのは28作。マーサ・ウェルズの『ネットワーク・エフェクト』、N・K・ジェミシンの『輝石の空』、コニー・ウィリスの『ブラックアウト』などです。カズオ・イシグロの『日の名残り』のように、ブッカー賞と既収録のノーベル文学賞でまとまった本もあります。
こうした作品は、一覧では1行にまとめています。受賞は2件なので素朴に並べると同じ本が2行に出てしまい、読んだかどうかを確かめにくくなるためです。1行にまとめたうえで、その行と作品のページには受賞した賞が両方とも出ます。
どこから見るか
賞ごとの一覧が入口です。ブッカー賞・ヒューゴー賞・ネビュラ賞のページには、その賞がどういう賞なのか、誰が選ぶのかの説明も置きました。ヒューゴー賞は世界SF大会の参加者による投票で決まります。ネビュラ賞はアメリカSFファンタジー作家協会の会員投票です。同じSFを対象にしていても、選ぶ人が違います。
読める形が残っていない本だけを見たいときは、入手困難な本の一覧があります。復刊を待つしかない本が並ぶページなので、見ていて楽しいものではありません。図書館で借りる候補を作るには使えます。