開業日が決まり、スマレジの契約も済んだ。あとは商品を登録するだけ。そう思ってオープン3日前に着手した店が、当日の朝までレジと格闘する例を何度か見ています。商品登録は「やればすぐ終わる作業」に見えます。実際は違います。準備物が多く、段取りが要る工程です。開業日から逆算して、何をいつ始めるべきかを整理します。
最初にやるのは商品登録ではなく部門づくり
スマレジでは、部門が登録されていない状態で商品を登録できません。公式ヘルプ「はじめて複数商品を登録する」にも、初めての場合は先に部門を登録する必要があると明記されています。部門とは商品のカテゴリーのことで、アパレルなら「アウター・トップス・ボトムス」、飲食店なら「ドリンク・サラダ・肉料理」のような分け方です。
この部門設計を後回しにすると、あとで効いてきます。売上分析は部門単位で集計されるので、開業後に「やっぱり分け方を変えたい」となると商品の付け替え作業が発生するからです。レジ操作の都合ではなく、「開業後にどの切り口で売上を見たいか」から部門を決めてください。ここは机上で決められる工程なので、開業準備の早い段階、内装や仕入れと並行して済ませられます。
登録前に揃える情報は5つ
商品登録の作業が止まる原因は、スマレジの操作ではなく情報の不足です。CSVの初期フォーマットで求められる主な項目から逆算すると、先に揃えるべき情報は次の5つです。
- 商品名: 85文字以内。レシートや売上分析にそのまま出る名前です。半角カナや環境依存文字は使えません
- 商品コード: JANコードのあるものはJANを。バーコードのない自家製品は、自店のルールでコードを振ります
- 販売価格(商品単価): 数字8桁以内。開業直前まで価格が決まらない商品は、ここがボトルネックになります
- 原価: 空欄で登録すると0円扱いになります。粗利を見たいなら開業時から入れておくのが得です
- 税率の扱い: 標準10%か軽減8%か。イートインとテイクアウトの両方がある店は、税設定を選択式にするかどうかをここで決めます
仕入先ごとに商品リストの形式はバラバラです。JANが載っていない納品書も普通にあります。商品登録の実体は「リストを集めて、この5項目に揃える」作業のほうで、レジへの入力はその結果を流し込むだけです。
逆算スケジュールの目安
私が商品登録まわりのアプリを作りながら店の話を聞いてきた範囲では、目安はこうです。
- 開業1か月前まで: 部門設計を確定し、スマレジに部門を登録します
- 3週間前: 仕入先から商品リストを集め、5項目に整理し始めます。価格未定の商品を洗い出すのもこの段階です
- 2週間前: 商品登録の本番。CSVなら『商品 > 商品登録 > CSVで登録』からアップロードします
- 1週間前: レジの実機で試し打ちします。バーコードのスキャン、税率、レシートの表示名まで確認します
作業量の感覚として、手入力は1点あたり1〜2分かかります。300点なら5〜10時間、つまり丸1日仕事です。500点を超えるなら手入力は計画に入れないほうが安全です。最後の試し打ちの1週間は削らないでください。登録ミスは画面の上では見つからず、スキャンして初めて発覚します。
商品数で登録方法を選ぶ
登録方法は3つあり、商品数で選ぶのが基本です。
- 手入力: 目安は100点までです。管理画面から1点ずつ登録します。前の節で書いたとおり300点で丸1日仕事になるので、それ以上は次の方法を検討します
- CSV一括登録: 数百〜3,500点。1回のアップロード上限は推奨3,500点・10MB以内です。整ったExcelデータがあることが前提で、文字コード(Shift-JIS)や項目の並び順の制約があります。なお登録できる商品数自体の上限はスタンダードプランで1,000点、プレミアムプラン以上で10万点です
- 変換ツールを使う: 仕入先のリストや納品書が「整っていない」場合。CSVに整える手前の作業を肩代わりさせます
3つ目の選択肢として書いておくと、私の作っている「らくらくAI商品登録」は、納品書のPDFやExcelをAIに読ませてスマレジの商品マスタ形式に変換するアプリです。列の並べ替えも文字コードの変換も要りません。開業準備は商品登録以外にもやることが山ほどあるので、リスト整形に時間を吸われそうだと感じたら検討してみてください。
