売上の多くを支えているのは、繰り返し来てくれる一部のお客様です。ところが「うちの優良顧客は誰か」と聞かれて、10人の名前を挙げられる店主は多くありません。顔は浮かぶ。でもデータでは持っていない。スマレジに会員データが溜まっているなら、リスト化は標準機能でかなりのところまでできます。この記事では、その手順と限界、そして限界から先の選択肢を書きます。
先に「優良顧客」を数字で定義する
リストを作る前に、優良顧客の定義を数字で決めます。ここが曖昧だと、抽出条件が決められません。よく使われる切り口は3つです。
- 金額: 一定期間の購入金額の合計。例えば「1年間で5万円以上」
- 頻度: 来店・購入の回数。例えば「半年で4回以上」
- 直近性: 最後に来たのはいつか。金額が大きくても1年来ていなければ、それは優良顧客ではなく休眠顧客です
最初は厳密でなくて構いません。「過去1年の購入額が上位、かつ3か月以内に来店がある人」くらいの粗い定義で始めて、リストを見ながら調整するほうが早く形になります。
会員詳細一覧で絞り込んでCSVにする
スマレジの会員機能(プレミアムプラスプラン以上)には、この用途のための画面があります。『会員 > 会員詳細一覧』です。公式ヘルプ「会員情報を確認する」でも、会員ごとの利用金額や売上を抽出する場合の利用が案内されています。
- 管理画面で『会員 > 会員詳細一覧』をクリックします
- 【検索オプション】を開き、条件を設定します。『集計期間』で対象期間を指定すると、その期間の会員ごとの取引数・取引額が確認できます
- 『取引額』で金額の下限を指定して、定義に合う会員だけに絞り込みます
- 『最終来店日』を組み合わせると、休眠顧客を除外できます
- 絞り込んだ結果をCSVでダウンロードします
これで「過去1年で◯円以上使っていて、最近も来ている人」の一覧が手に入ります。ある商品を買った人だけに絞りたければ『購入商品名』、特定部門の購入者に絞りたければ『購入部門名』でも検索できます。DMの宛名リストを作るなら、住所やメールアドレスも同じCSVに含められます。
標準機能で届かない3つのこと
実際に毎月これを回そうとすると、届かない部分が見えてきます。
- 毎月の手作業になる: 検索条件の設定からCSV出力までを、月初のルーチンとして人がやり続ける必要があります。1回15分でも、担当が変わると条件の再現から怪しくなります
- 部門・ブランドごとの累計額では並べられない: 『購入部門名』で「その部門で買ったことがある人」は絞れますが、部門ごとの累計購入金額でのランキングは標準の画面からは作れません。化粧品店のように「ブランドAのお得意様」を知りたい店には、ここが物足りません
- 「あと少しの人」が見えない: 優良顧客の基準を「年間5万円」と決めると、4万8千円の人はリストから漏れます。でも声をかける価値がいちばん高いのは、実はこの基準のすぐ下にいる人たちです
1つ目は根性でどうにかなります。2つ目と3つ目は画面の仕様なので、標準機能の範囲では工夫のしようがありません。
月次で自動的に届く仕組みにする
毎月のリスト作りを人の作業から外したい店向けに、私は「お得意様ナビ」というスマレジ連携アプリを作っています。期間・部門・累計購入金額で顧客を抽出し、特典の基準まであと少しの「声かけ候補」も毎月自動でリストにして、メールで届けるものです。部門別の購入分布もグラフで見えるので、「この人は化粧品だけで年10万円」のような発見があります。CSV出力にも対応しているので、DMの宛名づくりまで一続きです。まずは標準の会員詳細一覧で1回リストを作ってみて、毎月続ける手間を感じたら思い出してください。
