Supercherenkoスマレジアプリと解説メディアの個人開発

らくらくAI商品登録

納品書やバラバラの商品リストを、手入力せずにスマレジへ登録するアプリです。スマレジの審査を通して、アプリマーケットで公開中です。ここには、何を解こうとして何を作らないと決めたかを書いています。

らくらくAI商品登録の紹介ページ。取り込んだ商品リストをAIがスマレジの登録形式に整え、確認画面で修正してから登録する流れを示している。

解いた困りごと

レジ締めが終わってから、納品書を見ながら商品を1点ずつ入力する。打ち間違いは棚卸しで見つかって、またやり直す。品目が多くて回転の速い店ほど、この時間が積み上がります。

スマレジには商品の一括登録があります。ただし整形済みのCSVが前提です。仕入先ごとに列名も並びも違う現場では、そのCSVを作る工程が新しい手作業になります。「一括登録があるのに使えない」という状態です。

そこで、整形前のリストをそのまま受けて、スマレジ形式への変換まで引き受けることをこのアプリの役割に決めました。PDF・Excel・CSV・貼り付けたメモ・納品書を撮った写真まで、形式を問わず取り込みます。

作らないと決めたこと

AIを使うアプリで難しいのは、機能を足すことよりやらせないことを決めることでした。3つを設計の芯にしています。

価格を推測させない。元データに売価が書かれていなければ、空のままにします。AIが「だいたいこのくらい」で埋めることはしません。捏造した売価は1件でも混ざれば会計に出て、棚卸しで見つかります。空欄は確認画面で「要確認」として立て、人が入力してから登録します。価格が空のまま登録することは、画面側とサーバー側の両方でブロックしています。

AIの結果を直接書き込まない。抽出したら必ず確認画面を通します。「登録」を押すまでスマレジのデータは変わりません。AIの精度をどれだけ上げても、店のマスターに直接書き込む設計にはしませんでした。間違いが起きたときに、店側が気づく前に反映されてしまうためです。

部門は実在するものから選ぶ。AIが部門名を自由に作れると、スマレジ側に存在しない部門が生まれます。実在する部門と照合させ、確信が持てないときは最も近い部門に寄せて⚠を出す扱いにしました。

中心に置いたのは、確認画面

このアプリでいちばん時間をかけたのは、AIの抽出処理ではなく確認・編集画面です。1行が1商品の表で、その場で直せます。

確認・編集画面。1行1商品の表で、商品コードのセルが選択され右下につまみが出ている。価格が空の2行は赤枠と⚠で要確認になっている。下部に「新規9件・更新0件・スキップ0件」と「9件を登録する」。

表計算ソフトと同じ操作にしました。セルを選ぶと右下につまみが出ます。それを下へ引くと連番が振られ、同じ値のコピーも同じ操作でできます。商品コードは BN-ETH-001・BN-BRZ-002 のように連番で振ることが多いので、これがないと結局1件ずつ打つことになります。

ここは新しい操作を作らないと決めた場所です。店で商品リストを扱ってきた人の手は、すでに Excel やスプレッドシートを覚えています。つまみを引いて連番を作る操作はその手に入っているので、こちらが別のやり方を用意しても、覚え直しが増えるだけです。

まとめて振れるということは、まとめて間違えられるということでもあります。そのために「元に戻す」と「やり直す」を並べて置いています。

列の順序はスマレジの商品登録APIのリファレンスと同じ順にしました(部門・商品コード・商品名・価格・会員価格・原価・規格・サイズ・カラー・品番)。使う人がスマレジの画面で既に見慣れている順序に合わせれば、覚え直すものがなくなります。列幅はドラッグで変えられて、次に開いたときも保たれます。

仕入先ごとの列の対応は「フォーマット」として保存できます。2回目以降は同じ仕入先ならAIに推測させず、保存した対応をそのまま使います。毎回同じ判断をやり直させないためです。

非同期の完了をどう受けるか

スマレジの一括登録と画像登録は非同期APIです。送信した時点では終わっていないので、完了はWebhookで受けます。取り込みから登録完了までを1つの「ジョブ」として扱い、状態を持たせて進めています。

ここで作り込みが必要になるのは、Webhookが来なかったときです。一定時間を過ぎたジョブは画面に「滞留」として出します。黙って成功扱いにも失敗扱いにもしません。店の人が「登録できたのか分からない」状態で放置されるのが、いちばん困る状態だからです。

Webhookの受け口は、鍵の確認と多層の検証を通し、同じ通知が二重に届いても結果が変わらないようにしています。検証に必要な設定が入っていない環境では、受け付けずに閉じます。

扱うデータの範囲を先に決めた

価格や原価が入ったファイルを預けることになるので、何を扱わないかを設計の段階で決めました。

個人情報は抽出しません。納品書には仕入先の担当者名や電話番号が載っていることがあります。商品情報として必要ないので、AIの抽出対象から外しています。

取り込んだ元データと画像は7日で自動削除します。解約時はすぐに消えます。すぐ消さず数日だけ残すのは、画像登録のやり直しと履歴の見返しに必要な期間があるためです。スマレジへの接続情報は暗号化して保存しています。

このアプリの情報

対象
アパレル・服飾雑貨、セレクトショップ・輸入雑貨、酒販・こだわり食品、ホビー・トレカ、コスメ・化粧品、花・園芸・ペット用品
料金
月額 0円 〜 3,278円(税込)。最新の金額はスマレジ・アプリマーケットの掲載を正とします
公開状況
スマレジの審査を通してアプリマーケットで公開中
主な構成
Cloudflare Workers・D1・R2、スマレジ・プラットフォームAPI(OAuth)、AIの構造化出力による抽出

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