Supercherenkoスマレジアプリと解説メディアの個人開発

おだんごフォーム

来店したお客様が、自分のスマホでスマレジの会員になれる登録フォームです。スマレジの審査を通して、アプリマーケットで公開中です。ここには、何を解こうとして何を作らないと決めたかを書いています。

おだんごフォームの紹介ページ。QRコードを読み取ったお客様がスマホで入力し、そのままスマレジの会員マスターへ登録される流れを示している。

解いた困りごと

会員登録は、たいていレジで起きます。店員が聞き取って代わりに打ち込むか、紙の申込書に書いてもらって後から入力するか。どちらも人手が要るので、混んでいる時間帯はそもそも声をかけられません。会員が増えない理由は、案内の弱さより登録の作業が会計の列に乗っていることでした。

紙を挟むと、もう一段悪くなります。転記が発生するかぎり、書き間違いと二重登録は残り続けます。同じお客様が2件のレコードになれば、購買履歴が割れて、ポイントも会員価格も途中で切れます。

そこで、お客様の手からスマレジの会員マスターへ、間に人を入れずに届けることをこのアプリの役割に決めました。店はQRコードを見せるだけ、お客様はブラウザで入力するだけです。

作らないと決めたこと

会員登録フォームは、作ろうと思えばいくらでも欲張れます。集めた個人情報を持っておく、同意率を上げる仕掛けを足す、LINEと会員をひも付ける。どれも作れますが、作らないと決めました。

お客様の個人情報を、こちらに保存しない。入力された内容はスマレジの会員マスターへ直接登録し、アプリの手元には残しません。データベースに置くのは件数の集計だけです(いつ・どの店の・どのフォームで・メール同意があったか)。氏名も連絡先も、列そのものがありません。一般的な登録フォームでは、回答がフォーム事業者側にも溜まります。溜めた瞬間から、守る責任と、漏れうる経路が増えます。しかも「あとで使えるかもしれない」を理由に持ちはじめると、持ち続けることになります。だから最初から置き場所を作りませんでした。管理画面に出す登録数や同意率のグラフも、この集計値だけで描けるように、先に決めてから作っています。

同意のチェックを、初期ONにしない。案内メールの受け取りは、特定電子メール法で事前の明示的な同意が要ります。店にとって同意率は増やしたい数字ですが、増やし方を選びます。最初からチェックを入れておく、同意しないと登録を完了させない、解除の導線を見つけにくくする。このあたりは実装が簡単で、数字も上がります。やりません。

代わりに、チェックを入れると何が届くのかをその場に書きます。誕生日のクーポン、そろそろの時期のお知らせ、季節の案内。そして「いつでも停止できます」を同じ場所に置きます。判断の材料を増やして上げるのが、後で効く上げ方です。同意した覚えのないメールは、店への信用を1通ずつ削ります。

LINEのアカウントと会員情報をひも付けない。登録の完了画面で友だち追加を案内しますが、案内までです。技術的にはひも付けられますし、そうすれば購買履歴に沿った配信ができます。ただ、友だち追加を押したお客様が「これで自分の買い物が結びつく」と理解しているとは限りません。説明していないことを、裏で成立させないようにしました。

必須項目をアプリ側で決めない。どの項目を必須にするかは、スマレジの「会員必須項目設定」がすでに持っています。アプリが独自に必須・任意を持つと、設定の置き場所が2つになり、いずれ食い違います。スマレジ側を正として、フォームはそれに従うだけにしました。店が必須を変えたければスマレジで変えます。こちらの管理画面には同じ設定を置いていません。

中心に置いたのは、レジ前の数十秒

このアプリが使われるのは、会計の前後の短い時間です。ここで成立しないものは、機能が何本あっても使われません。

お客様にアプリを入れさせない。QRコードを読むとブラウザでフォームが開き、そこで終わります。ダウンロードもアカウント作成もありません。レジ前で「まずアプリを入れてください」は成立しない、というのが出発点です。

初期状態の項目は少ないほうに倒す。入力項目は増やすほど途中で止まります。標準は名前と連絡先を軸にした最小限にして、店が聞きたいこと(来店のきっかけ、好み、希望の担当者など)はカスタム項目として足せるようにしました。足すか足さないかは店が決めることで、こちらの初期値は「少ない」に置いています。増やす方を初期値にすると、誰も減らしません。

フォームは店舗ごと・季節ごと・設置場所ごとに分けて発行できます。同じ設計思想で、どこに置いたものが効いたのかを店が自分で判断できるようにしています。

名寄せのAPIがないなかで、二重登録をどう防ぐか

ここが実装でいちばん考えた場所です。スマレジのAPIには「この連絡先の会員はもう居ますか」と問い合わせる口がありません。素直に作るなら、アプリ側で連絡先を保存して照合することになります。ですがそれは、上で「作らない」と決めたことそのものです。

採った方法は、連絡先(メールを優先)から決まった手順で会員コードを作ることでした。同じ連絡先なら必ず同じコードになるので、同じお客様が2回登録しても、コードが衝突してスマレジ側の一意制約が二重登録を弾きます。元の連絡先に戻せる形では持ちません。照合をこちらに持たずに、突き合わせだけをスマレジ側にさせる形です。個人情報を保存しない方針と、二重登録を防ぐ要件が、ここで噛み合いました。

もう1つ、公開フォームからはスマレジのAPIを呼びません。必須項目の設定はフォームを作った時点で写しを取り、来店客が開くときはその写しを使います。お客様の目の前の画面が、店の回線やAPIの調子に左右されないようにするためです。設定を変えたときは、管理画面から読み直します。

扱うデータの範囲を先に決めた

誰でも開けるURLに、お客様が個人情報を入力する画面です。閉じる場所を先に決めました。

フォームのURLに契約の情報を出しません。推測されにくいランダムなIDだけを使います。連番にすると、隣の店のフォームが開けてしまいます。

公開フォームには、ボット対策を三重に置いています。人間かどうかの確認、自動入力を検知する仕掛け、同じ回線からの連投の制限です。誰でも開ける画面は、必ず機械にも叩かれます。

店舗オーナーの管理画面はスマレジのアカウントでログインし、自分の契約のデータしか見えません。運営側の画面は別系統の認証で、そちらの設定が入っていない環境では画面を開かずに閉じます。鍵が用意されていないときは、通すのではなく止める側に倒しています。

このアプリの情報

対象
美容室・整骨院・小売など、レジで会員登録を受けている店舗(スマレジ プレミアムプラスプラン以上)
料金
1店舗あたり月額 2,200円 〜 22,000円(税込)。10日間の無料お試しつき。最新の金額はスマレジ・アプリマーケットの掲載を正とします
公開状況
スマレジの審査を通してアプリマーケットで公開中
主な構成
Cloudflare Workers・D1、スマレジ・プラットフォームAPI(OAuth+アプリアクセストークン)、ボット対策にTurnstile

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